麹町駅すぐの歯医者 麹町デンタルクリニック院長の西澤です。
私はインビザライン公認歯科医師であり、年間で複数のマウスピース矯正の症例を対応しています。
このブログをご覧になっている方の多くは、矯正治療を検討されている方もいらっしゃると思います。
治療をはじめてから、「こんなはずではなかった!」とならないように、デメリットについてもしっかりと把握しておくことが重要です。
マウスピース矯正やブラケット矯正など矯正治療全般に言えることですが、治療をおこなう際には、歯茎について問題が発生する場合があります。
たとえば、以下のケースが散見されます。
・歯茎からの出血や歯茎の腫れ
・歯茎周辺がしみてしまう
・治療前とくらべ、歯茎が下がってしまった
これらは事前に認識しておくことで、対策をたてることができます。
今回は歯茎トラブルについてお話していきます。
■トラブル① 歯茎からの出血
矯正治療をすると一般的には、歯磨きのしづらさがあり、汚れは溜まりやすくなります。
インビザラインのようなマウスピース矯正は取り外しができるため、歯磨きがしにくいということがないですが、
意識的にセルフケアをしないと同様のリスクが発生します。
お口の中に汚れが溜まると、プラークと呼ばれる歯垢が歯の周辺に蓄積していきます。
これが原因で歯茎の炎症・出血となるのです。
・歯茎の出血対策
対策は非常にシンプルです。答えは歯磨きでの汚れを落としきることです。
これができていれば、出血はおこりません。
ですが、適切におこなわれないと効果はみこめません。
適切に行うポイントは以下の2点です。
・正しい磨き方
・適切に磨く時間
具体的なやり方については、個人差があるため、くわしくは担当の歯科医師や歯科衛生士に確認いただきたいのですが、
これらが徹底されることで、トラブルはおこらなくなるでしょう。
これらのリスクは、ブラケット矯正・マウスピース矯正など、矯正治療の違いでも変わってきます。それぞれの違いについては、以下を御覧ください。
■トラブル②歯茎の腫れや痛み
矯正治療をおこなっていく中で、歯茎の腫れも発生しやすくなります。
これも要因は出血同様に汚れが根本原因になります。
歯茎の腫れは、炎症・出血・腫れという順番に発生するため、出血している状態を放置してしまうことで発生します。
出血の時点で早めにケア見直しをおこない、未然に防止していくことが重要です。
また、前提のお話として理解して頂きたいことがあります。
それは、「歯周病」についてです。
矯正治療の開始前に歯周病のリスクがないのか?について確認しておくこともポイントです。
そのため、歯周病検査を必ずおこない問題がある場合には、歯周病治療をおこなった上で矯正をはじめていくことになります。
関連論文
・歯茎の腫れ対策
出血同様に歯ブラシがもっとも効果的な対策です。
さきほどもお伝えした通り、出血後に腫れ・痛みが発生してくるため、進行している可能性が高いです。歯ブラシももちろんですが、自宅でのケアだけではできない歯石除去なども必要な場合もあるため、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアをおこなっていきます。
痛みなどがある場合には、腫れをひかせる為に抗生剤を投薬した上で対応していきます。
歯周病がある内に矯正治療で歯を動かすと症状が悪化し、炎症が広がっていくリスクがあります。状況の改善をはかった上で矯正治療を開始していきます。
■トラブル③歯茎周辺のしみるような痛み
矯正治療をはじめていくと知覚過敏になる場合があります。その原因は主に3つあります。
1つ目を説明していきます。矯正治療は、当然ですが歯を適正にならべていきます。
治療前は歯が重なってしまっていたものもキレイに並んできます。
歯のズレが原因で歯茎の盛り上がりなどが発生しているケースもありますが、これらも改善してきます。
盛り上がっていた歯茎が改善することで、これまで覆われていた部分が露出してきます。
露出した部分が空気に晒されることで知覚過敏になる場合があるのです。
ただし、この場合の歯茎の下がりは正常な状態なので、問題はありません。
2つの目の原因については、口の中に汚れが溜まることでおきる場合があります。
とくにワイヤー矯正の場合には、歯ブラシのしにくさがあるので、汚れがたまりやすくなります。
汚れからバイ菌がたまりやすく、そこから酸を発生させます。これにより、歯が溶けることで凍みる場合があるのです。
3つ目の原因についてです。歯を矯正すると歯並びも変わりますが、噛み合わせも大きく影響がでてきます。矯正治療は分かりやすい歯並びという見た目だけに目が行きがちですが、重要なのは噛み合わせがしっかり合っているかです。詳細は以下で記載していますので、ご覧下さい。
噛み合わせが変化すると、歯にかかる負担も変わってきます。より強く当たってしまう歯も出てくることで、知覚過敏になることがあります。
参考論文
・知覚過敏の対策
口の中の汚れも原因の1つなので、やはり歯ブラシを中心としたセルフケアが大事になります。
バイ菌が酸を発生することで、歯を溶かすため原因となる汚れを溜めないことで改善がみこめます。
その他、歯茎が下がったことで発生している知覚過敏の症状は時間が経過することで徐々に改善してきます。
多くの場合、歯が慣れてくることで症状がおさまってきます。
いずれのケースについても、症状が気になる場合には塗布する薬がありますので、歯科医院にご相談下さい。
歯磨き粉の中にも知覚過敏用の製品もあるため、試して見てください。
■トラブル③歯茎の下がりについて
歯並びを改善する過程で歯茎が以前よりも下がるケースがあります。
とくに歯周病がもともと進行している方で、すでに歯茎が下がっている場合には、下がったと感じる方が多い傾向があります。
先程もお伝えしましたが、重なった歯が改善することで歯茎の腫れひき、隙間が発生することがあります。
歯並びが改善し、隙間ができたときにはじめて歯茎の下がりに気づき、下がっていると感じてしまうことが多いのです。
・歯茎の下がりについての対策
もともと歯茎が下がっている場合には、改善は難しいケースがあります。
また、歯茎が下がることで、ブラックトライアングルと呼ばれる歯の隙間ができます。
このブラックトライアングルを改善し、見た目よくするためには、歯と歯の間を削る対応をとります。
歯と歯が重なる面を増やすために、歯と歯の接触面である歯冠部分をわずかに削ります。
こうすることで隙間をうめることができ、目立たな程度にブラックトライアングルを解消することができます。
参考論文
阪大歯学誌/上下顎前歯部の前突および叢生を伴う Angle I級成人症例
さきほどお伝えした通り、歯茎の下がりについては、そもそも歯周病が原因となり、骨が減っていることが要因です。
歯周病による骨の減少がなければ矯正治療で歯茎がさがることはありません。
未然に防ぐには、歯ブラシでのケア、歯科医院でのケアがポイントになってきます。
■最後に
矯正治療をおこなっていく上で、メリットはもちろん多いですが、デメリットも当然存在します。
その中の1つが歯茎のトラブル(腫れ・痛み・出血・下がり)なのです。
今回挙げたトラブルに対してもそうですが、他にお話できていない問題についても、お口の中の汚れがおもな要因になります。
どのトラブルの対策をあげても、結局は歯ブラシなどの日々のケアが中心になります。
矯正治療中のトラブル防止以外でも、歯磨きはとても重要です。必ず毎日のケアをおこなっていきましょう。
大前提ですが、歯周病がある場合には、矯正治療をおこなうことができません。
必ず歯周病検査をおこない、問題がある場合には歯周病治療をおこなった上で矯正治療にはいっていきます。
矯正治療中のリスクは他にも様々なものがありますので、もしもより詳しいお話を聞きたいということであれば、当院までご相談下さい。
当院では、歯並びに関しての無料相談をおこなっております。少しでも気になる方は、
以下を参考に御覧下さい。
【歯並び無料相談について】
https://kojimachidental.jp/invisalign/
医療法人社団 恵雄会 麹町デンタルクリニック
インビザライン認定医
麹町駅すぐの歯医者 麹町デンタルクリニック 院長の西澤です。
当院では、インビザラインというマウスピース矯正をおこなっております。
私はインビザライン認定医でもあります。
麹町で開業し約10年、その後同様の治療を多く手がけてきました。今回はその経験をもとに、
「マウスピース矯正と開咬について」をお話していきます。
【マウスピース矯正と開咬】
みなさんは奥歯でしっかり噛んだ時、上の前歯と下の前歯はしっかり当たっていますか?
そこに隙間ができたりはしていませんか?
隙間が開いてしまう事を「開咬」と言います。
本日は開咬とはどういうものか、どういった原因でなってしまうものなのか、放っておいたらどうなるのか?
マウスピース矯正でこの開咬は治るのか?などお話しします。
以下は参考ブログです。あわせてご覧下さい。
※参考ブログ※
気になる疑問に答えます!マウスピース矯正の中でも最も有名なインビザライン。はたして効果はあるのか?
【開咬とは?】
オープンバイトとも言います。奥歯で噛んだ時、上の前歯と下の前歯の間に隙間ができる事を言います。
出っ歯も前歯同士が噛み合いませんが、出っ歯とは違い、前歯が出てないにも関わらず隙間ができてしまいます。
軽度でしたら、見た目もあまり気になりませんが、重度になると食べ物が食べにくくなったり発音障害にも繋がります。
【開咬したままだとどうなる?】
・消化不良を起こしやすい
開咬は上の前歯と下の前歯が接触していない状態ですので、物を噛みちぎるのが難しくなります。
そのため口の中に入る塊が大きくなり、噛むのに時間がかかるため奥歯に負担がかかりやすくなったり、不十分な状態で飲み込んでしまい消化不良を起こしてしまいます。
・発音障害
前歯の間が空いていて空気が漏れやすく、舌が間に挟まってしまったりするため、カ行・サ行・タ行が舌足らずになりやすいです。
・歯を失うリスクが上がる
前歯が当たっていないということは、奥歯に常に負担がかかっているという事。
奥歯はものをすりつぶすための大きな歯ですが、寝ている時の歯軋りでは自分の体重以上の力がかかります。
前歯が噛めないと、奥歯の負担が大きくなり割れやすくなります。大きく割れてしまうと歯を抜かなければいけなくなってしまいます。
・口呼吸になりやすい
開咬の状態だと、口が開きやすくなります。
ずっと口が開いていると、口呼吸になりやすくなってしまいます。
口呼吸になると口の中が乾燥して、細菌が増えやすい環境になり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
また風邪なども引きやすくなってしまいます。
【開咬の原因は?】
・遺伝、骨格
骨格によって開咬が起きることがあります。
特に下の顎の骨が未発達の場合、開咬になりやすいと言われています。
骨の大きさは遺伝がかなり影響しています。家族、親戚に同じような方がいらっしゃる場合、遺伝する可能性は高くなります。
・指しゃぶり
子供の頃に指しゃぶりをずっとしていると、歯がだんだん押されてきて、開咬になってきてしまいます。
特に上の前歯に押し当てたりしているとなりやすくなります。
・癖
舌で前歯を押すような癖があると、前歯が傾き開咬状態になります。いわゆる出っ歯(上顎前突)の様な状態です。
・口呼吸
呼吸は鼻で行われるものですが、鼻炎などで鼻が詰まってしまうと口で呼吸しがちになります。
口で呼吸するのが癖になってしまうと、舌の位置が下がり(本来は舌の先端の位置は上の前歯の少し後ろの位置です)、頬の筋肉の力で上の歯の並びが狭くなる事で、開咬しやすくなると言われています。
【マウスピース矯正で開咬は治る?】
開咬は治すのが大変な噛み合わせと言われていましたが、最近では開咬は治しやすくなってきました。
また舌の癖による開咬もマウスピースだと防ぎやすいと言われています。
【まとめ】
軽度ですと、あまり影響のない噛み合わせですが、癖などにより重度に変わる可能性もたくさんあります。
開咬においては、マウスピース矯正はワイヤー矯正より得意な分野です。
少し口が開いてるけど大丈夫だろう…などと軽視せず、些細な事でも気になる様でしたらぜひ当院でご相談ください。当院ではマウスピース矯正の無料相談を行なっております。
少しでも気になる方は、お問合せ下さい。
【歯並び無料相談について】
https://kojimachidental.jp/invisalign/
医療法人社団 恵雄会 麹町デンタルクリニック
インビザライン認定医
院長 西澤 道雄