麹町デンタルクリニック

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高品質な根管治療におけるラバーダム

高品質な根管治療における
ラバーダムの利点

当院では、患者様の天然歯を最大限に維持するため、精密で効果的な根管治療を提供しています。歯を残すことは、口腔健康を維持する上で極めて重要です。

当院では根管治療において、ラバーダム防湿法を積極的に活用しています。ラバーダムは、治療部位をゴム製のシートで覆うことで、唾液の侵入を防ぎます。唾液には細菌が含まれており、ラバーダムの使用により、治療中の細菌感染リスクを劇的に低減できます。ラバーダム防湿法は、その効果的な特性から高く評価されています。しかし、日本の歯科医療機関での採用率はまだまだ低いのが実情です。この背景には、いくつかの理由があります。

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患者様にとって大きな利点があるにも関わらず、
「ラバーダム防湿法」が普及しない理由は何か?

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ご説明した通り、日本の歯科医療機関でラバーダムを使用している施設は極めて少ない傾向です。全国の歯科医療機関のうち、約5.4%しか導入していない状況です。この低い普及率には明確な理由があります。

まず、重要なことは、「ラバーダム防湿法」が患者の視点から見ると、利点しかないという点です。この治療法を採用することで、治療の成功率が向上し、細菌感染のリスクが著しく低減します。ごく一部の患者様には、ラテックスアレルギーを持つ方がいるため、該当する場合に限り、唯一の欠点となります。

ラバーダムは根管治療だけでなく、詰め物や通常の虫歯治療でも使用されます。実際、根管治療でラバーダムを使用しなかった場合、再治療が必要となるケースが約2本に1本あるというデータがあります。

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では、なぜこのような利点があるにもかかわらず、ラバーダムの使用率が全国平均で5.4%(2011年のデータ)と非常に低いのでしょうか?

それは非常に単純ですが、採算性が非常に低いためです。歯科治療の多くは保険診療であり、日本の保険報酬は非常に低額です。そのため、ラバーダムを使用することは経営的に非常に厳しいことが理由です。一方、自由診療では、ラバーダムを使用した根管治療を提供している歯科医院が多く見られます。

ラバーダムを使用した根管治療は手間がかかり、時間と材料の追加によりコストが増大します。通常の根管治療でも、多くの道具や作業が必要で、労力が必要な治療工程です。

根管治療は保険診療と自由診療の両方で提供されています。しかし、保険診療で提供される場合、ラバーダムの使用も保険診療として扱われます。

日本の保険制度は、全国どこでも同じ安価な費用で治療を受けられる素晴らしい制度です。しかし、経営的な観点から見ると、採算性が低い側面もあります。

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保険診療では、手間をかけて治療の質を向上させても、費用は一律です。地域によってコストが異なりますが、保険診療は安価に設定されています。そのため、新たなコストをかけて治療を行うことは経営的に難しいです。

歯科医院は医療機関ですが、経営も行っています。スタッフの雇用や経営のためには、一定の収益が必要です。コストがかかる治療を行う場合、安定した経営基盤が必要です。収益を無視すると、経営が悪化し、患者やスタッフに影響が及ぶ可能性があります。

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当院では、必要に応じて保険診療でラバーダムを使用しています。これは、治療の質を向上させ、患者の口腔内の健康を維持し、歯をできるだけ残すことを目指しています。ぜひ、この理解をもとに治療を受けていただければと思います。