患者さまの口内状況を踏まえた
歯周病治療を行っています
当院では、患者さまのご要望と口内状況を踏まえ、薬で症状を抑える歯周内科による治療や外科的な処置を含む治療を提供しています。
歯周病の治療方法
通常の歯周病治療においては、専用の器具を使って歯石やプラークなど原因菌を取り除いております。歯周内科による治療が難しい場合など、重度の歯周病の場合は「歯肉切除」や「歯周ポケット掻爬(そうは)術」といった外科的な処置を施し治療を行っております。
患者さまのご要望、ご状況に応じ、適切な方法をご提案し、治療を行います。
位相差顕微鏡を使って
口腔内の細菌を確認
Check for bacteria in the oral cavity
位相差顕微鏡を使えば口腔内の細菌を簡単にチェックできます。位相差顕微鏡とは、鮮明画像で生きたままの口腔内の細菌を観察できるものです。
また、パソコンに口腔内映像や写真を取り込んで、患者さまにご覧いただきながら説明いたします。
これによりインフォームド・コンセント(患者さまへの説明と同意を得る事)を円滑にし、理解を深められます。
歯周病の菌名と数を
特定するDNA検査
DNA test to disease bacteria
位相差顕微鏡で確認できるのは歯周病原因菌の一部に限られています。そのため、そのほかの悪玉菌を確認する方法が必要になりました。その方法が歯周病菌のDNA検査です。
歯周病菌を特定して、より効果的な治療へ
当院では、リアルタイムPCR法による歯周病菌のDNA検査を導入しています。これにより歯周病の菌名と数を特定します。特定した菌に効く薬を内服・除菌すれば、効果的に歯周病を改善できます。 DNA検査といっても、患者さま個人のDNAを調べるわけではありません。あくまで歯周病菌のDNA検査ですのでご安心ください。しかも、歯垢を調べるだけですので痛みはまったくありません。
お口をすすぐだけの
唾液検査も実施可能
Saliva test just by rinsing your mouth
お口をすすいだ唾液を用いて検査を行うことができます。検査測定も5分と、その場で結果がわかる唾液検査「SiLL-Ha」を実施しています。
得られたデータを元に効果的な治療を行います。
詳しくは『唾液検査』よりご覧ください。
歯周内科の流れ
Flow of periodontal medicine
【STEP1】歯周病菌検査
まず、位相差顕微鏡でお口の中の菌の状態を確認します。歯周病菌の有無、状態を観察し、正しい治療計画を考えます。治療が必要だと判断された場合、治療を開始します。
【STEP2】飲み薬を服用
抗菌剤(抗生物質)を服用します。
【STEP3】シロップによるハミガキ
ブラシに抗真菌剤シロップを付けて歯磨きをします。
【STEP4】顕微鏡検査による除菌確認
再び、位相差顕微鏡を使って細菌の状態を確認します。
【STEP5】除菌後の歯石とり
薬剤の服用と並行して、歯周病の原因菌の住み家である歯石除去を行います。
※お口の状態により複数回かかる場合があります。歯科衛生士と相談しながら進めますのでご安心下さい。
【STEP6】歯周ポケット検査(再評価)
歯周ポケットの状態を検査します。問題なければ定期健診に移行します。
治療後について
After treatment
歯周病が治ったら再感染に気をつけましょう。歯周病は回し飲み、回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなどで感染します。ご家族からも感染するので、ご夫婦一緒に治療することをお勧めします。
お口の中が清潔であれば歯周病菌が感染する可能性は低くなります。そのため毎日の歯磨きが大切です。毎日の歯磨きで歯周病菌が増えるのを防げますが、自分で磨けない部分が必ずあります。定期的に歯のクリーニングを受けることをお勧めします。
歯周内科について
(国際歯周内科学研究会HPより引用)
歯周内科治療は位相差顕微鏡で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性のある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療方法です。
治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示される利点が知られています。
また、はっきり自覚できる程、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長時間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微生物叢を獲得していたのです。
微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も、微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるような症状が非常に少なくなることが知られています。
(なお、前歯は短期間で歯茎が縮むので歯が伸びたような感覚が生じることがあります。そのような場合は残念ながら通常の治療では元々骨が溶けている状態ですので改善は難しいようです。特殊な審美外科を行う必要があるかもしれません)
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