キシリトールについて
2021.05.31皆さまこんにちは!
麹町デンタルクリニック院長の西澤です。
走り梅雨に濡れ、木々の緑も深みを増すこのごろ、お変わりありませんでしょうか。
今回は歯科にも縁深いキシリトールについてご紹介していきたいと思います。
ここ20年くらいで一般的な知名度もかなり高くなってきたキシリトールですが、正しい情報を知っている方はそんなに多くありません。
キシリトールについては
・甘いけど歯によい
・むし歯にならない
・海外の歯によい成分
そんなイメージをお持ちの方は多いと思います。
私達がガムやタブレットで摂取しているキシリトールは白樺や樫などの木から抽出されたものを使って作られています。しかし特別な成分、というわけではありません。
実はキシリトールは私達のよく知っている果物や野菜の中にも含まれています。
例えばイチゴには100gのうち、約350mgのキシリトールが含まれています。
またこれも意外なことですが、私達の身体にある肝臓でも1日あたり約15gのキシリトールが作られています。
特別な成分だと思っていたキシリトールですが、自分の身体の中でも生成されていたというのは驚きです。
ではキシリトールの働きでどんな効果が得られるのでしょうか。
その説明のためには、むし歯のメカニズムについて簡単な説明が必要になります。
甘いものを食べればむし歯になる、というのは間違いではないのですが半分正解といったところです。
お口の中は食事をすると酸性になり、この酸が歯の表面にあるエナメル質を溶かしていきます。酸性になった歯は食事の後に唾液の力で徐々に中性に戻っていきます。
しかし間食が多かったり、寝る前の歯みがきを怠ったりすると、歯垢に潜んだむし歯菌が酸を出し、どんどん歯を溶かしていきむし歯になるリスクが高くなります。
また甘い食べ物はむし歯菌のエネルギーとなるので、むし歯菌の働きを活発にします。
これがむし歯になるメカニズムです。
キシリトールは糖アルコールの1種です。糖アルコールは食べてもお口の中がまったく酸性になりません。またその甘さから唾液がたくさん出るため、歯の再石灰化が促進され歯が丈夫になります。
さらにキシリトールは、むし歯菌の働きを弱める効果もあります。
・口の中が酸性にならない=歯が溶けない
・甘いので唾液がたくさん出る=歯の再石灰化が進み丈夫になる
・むし歯菌の働きを弱める
この3つの効果が、キシリトールがむし歯にならないと言われている理由になります。
同じ甘い食べ物でもキシリトールはむし歯菌を抑制する効果があるのです。
キシリトールのむし歯予防効果を十分に発揮させるためには歯科専売のキシリトール100%のガムかタブレットを1日3回噛み、それを3ヶ月以上続ける必要があると言われています。
マスク生活も長くなり、口臭予防にガムやタブレットを使用する方が増えているという話を聞きました。
この機会にキシリトール100%のガムやタブレットを食べて、むし歯菌の少ない口腔環境を作っていきましょう。
当院ではキシリトール100%のガムを販売しています。
ラミチャックタイプ 260円(税込)
ボトルタイプ 980円(税込)
手軽にできる虫歯予防です。ぜひお買い求めください。